お墓について
お墓の構造と名称
お墓を建てる時期
お墓を建てるには石材の加工から墓石の据え付けまで、約3か月の日数が必要です。そのため、人が亡くなってから建てられる場合には、四十九日を目安にするのが無難です。また、諸事情ですぐには建てられない場合にはお盆やお彼岸を目安に建てられても結構です。
墓石の色・形・大きさ・デザイン
墓石の色は地域によって様々で、もともと地元で産出された石の色に起因しています。どの色が良くてどの色が悪い、ということはありません。
また、現在の三段の和型の形は江戸時代中期に一般的になったものです。五輪塔や洋型墓石など、現在はさまざまな形のお墓が建てられていますが、元来、お釈迦様はお墓のことは何も話されていません。そのため、この形でこの大きさでなければならないという決まりはありません。
石の種類
現在墓石に使用されている石材のほとんどが御影石(花崗岩)で、その8割が輸入材です。一般に、硬い石ほど光沢を出すのに手間がかかりますが、いったん磨き上げると艶は長持ちします。硬度が低いとその逆です。
また、水を吸いやすい石とそうでない石がありますが、寒冷地などでは水を吸った石が凍って割れることがあるため避けたほうが良いでしょう。
だからといって、最も硬度が高く、最も水を吸わない石が高いのかというと、そうではありません。石は天然素材のため、人気があって生産量の少ない石ほど希少価値が付いて高額になります。石質が良いから高い、悪いから安いと一概には言えないということです。
生前墓(寿陵墓)について
「寿陵」とは、生前から建てておく自分のお墓や夫婦のお墓のことです。生きている人の墓石の戒名は、朱色の文字にしておくのがならわしです。寿陵は中国の古い書物にもある言葉で、寿蔵・寿穴・寿堂とも書いてあります。中国でもたいへんめでたいお墓ということで、秦の始皇帝をはじめ歴代の皇帝もつくってきました。また日本でも、『日本書記』第二十四や『聖徳太子伝暦』巻下には、聖徳太子や蘇我入鹿が生前、自分のお墓をつくったという記録があります。
仏教において「寿陵」を建てることは「逆修・・・生前の自分の為に仏事をいとなみ、冥福を祈ること」を為すことになり、功徳をもたらし、未来の繁栄と幸福につながると言われています。